ファインネクスはプレスフィット(Pressfit)端子ピンの製造を承ります。
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近年、基板を用いた装置の組立工程では、無はんだ方式の圧入型の「プレスフィットコネクタ」の採用が増えています。従来のコネクタは、基板への搭載時にはんだ付けにて接続しているのに対して、プレスフィットコネクタでは圧入による簡便な方法で搭載することができ、更にはんだ塗布工程やリフロー工程を無くすことができます。このはんだレスの簡略化された実装工程により、 使用エネルギー量を減らすことができ、環境的にエコな製造工程を確立出来ることで製造コストの大幅な低減を実現します。 また、社会的に有害物質及び環境負荷物質を低減する動きが活発となり、分野を問わず製造業はこれらの物質を含まない製品を作ることが要求されています。
プレスフィットコネクタは時代に適合した製造方法です。
プレスフィットコネクタは、複数の端子(プレスフィット部)がプリント基板にあけられたスルーホール部に挿入され、プレスフィット部の変形圧力により互いに接触することによって通電します。したがって、端子のプレスフィット部分とプリント基板のスルーホールとのはめあい関係が、圧入時の弾性変形によって発生する復元力によって接触通電するようになっています。
そのためにプレスフィット圧入装置は、挿入するための充分な圧力が必要です。通常プレスフィットコネクタは、基板に手動で仮挿入された状態でコネクタ圧入装置にセッティングされ、コネクタ圧入装置で本挿入されて搭載されます。そして、プレスフィットコネクタをプリント基板に搭載するには専用の圧入冶具が必要です。
コネクタの基板実装方法の一つで無はんだ(ソルダレス)接続について説明します。プレスフィットまたはコンプライアント部(プレスフィット部)と呼ぶ弾性コンタクト(弾性:力を掛けてたわみ、力を解除して復元する性質を持った)をプリント基板のスルーホールに圧入し、コンタクトの弾性部の変形によりスルーホール内面に対し気密(ガスタイト)な接触をさせる実装方法です。
この技術自体はアメリカで開発され、主に多極コネクタのマザーボード実装に採用されてきた熟成技術です。しかし、端子に弾性を持たせるコンプライアント形状には、各コネクタメーカーが独自の形状を創り、特許を取得していました。端子に切断部を作り、たわむような仕掛けです。
利点としては、実装後に端子曲がり等の不具合が発生した場合、端子ピン交換(通常3回位迄が目安:同一スルーホールに新品端子を挿入して使用可能)もしくは、コネクタ全体の交換ができることです。
重要な実装条件として、圧入力の制御、スルーホールのドリル内径とめっき厚さの寸法管理が必須条件です。
プレスフィット端子・ピンのプレスフィット形状
ニードルアイ(Eye of needle)形状を推奨致します。その他形状についてはご相談下さい。
※形状に関する特許情報の調査はお客様にてお願い致します。
以下の評価用のプリント基板での挿入力と保持力との例を表示します。
・評価用プリント基板仕様
基板材料:FR-4
基板板厚:1.6mm
孔径 :φ1.10±0.05mm
表面処理:Ni下地Auフラッシュ
・端子仕様
材料 :リン青銅□0.64角線
表面処理:Ni下地Snリフロー
環境負荷物質や鉛フリ-化に起因した半田の信頼性低下を無視できないこと、半田熱によるチップ部品への熱衝撃回避、及び自動マウント対策などが課題になっていることを反映し、車載用機器、アンチロックブレ-キ・車両安定制御・ナビゲ-ション・ハイブリッド用駆動系・空気圧モニタ-など自動車の制御系回路基板間接続などに応用されます。
また、欧州における電気電子機器廃棄物指令(WEEE)に対応するためにも、コネクタ等の取り外しが容易になるプレスフィット技術に利点があります。そこで、従来のパソコン、サーバー、複合プリンタ等の民生品にも適用が進められています。
ファインネクスでは、金属線材(ワイヤー材)と条材(フープ材)の両タイプでのプレスフィット加工に対応しております。
その他、お客様のご要望の形状に加工対応致します。
ファインネクスではプレスフィット形状に関する特許情報の調査はお客様にてお願い致します。
ファインネクスでは、金属線材(ワイヤー材)と条材(フープ材)の両タイプでのプレスフィット加工に対応しております。
1)ワイヤー材(線材)から加工のプレスフィット端子
2)条材から加工のプレスフィット端子
スリーブと端子とのプレスフィット接合の際は、スリーブとセラミック基板と予めはんだ付けをした後に、スリーブの内径に端子のプレスフィット形状の入っていない角端子側を圧入して使用します。
スリーブはプリント基板のスルーホールと同様の働きをします。
1)適用プリント基板材質(名称及び該当JIS規格)
推奨
FR-4.0,-4.1 ;JIS C 6484:2005プリント配線板用銅張積層板-耐燃性ガラス布基材エポキシ樹脂
<プリント基板の説明>
FRグレードとは、
flame retardant grade
プリント配線基板の部材である銅張り積層板の難燃性を示す指標です。
「FR-X」と記述される。Xは1~6まであり,FR-6が難燃性が最も高いグレードになります。
電子機器設計者にとってなじみ深いプリント配線基板は「FR-4基板」です。これはFR-4グレードの銅張り積層板を使ったプリント配線基板を意味します。FR-4とは,難燃性のガラス布基材エポキシ樹脂を使い,一般的な耐熱性を備えた銅張り積層板です。
車載用途など,さらに高い耐熱性を必要とするプリント配線基板には,FR-5グレードの銅張り積層板を使うことがある。また、UL規格の改訂で、「FR-4製品(ハロゲン化難燃製品);FR-4.0」「FR-4製品(非ハロゲン化難燃製品);FR-4.1」と、新呼称になっています。
2)プレスフィット端子素材(名称及び該当JIS規格)
推奨
・リン青銅
C5191W;JIS H 3270:2012ベリリウム銅、リン青銅及び洋白の棒並びに線
C5212W;JIS H 3270:2012ベリリウム銅、リン青銅及び洋白の棒並びに線
・ベリリウム銅
C1720W;JIS H 3270:2012ベリリウム銅、リン青銅及び洋白の棒並びに線
・コルソン銅;Cu-Ni-Si系合金
<素材の説明>
使用する素材は、プリント基板のスルーホール内で、弾性を持つことが必要になります。従って、素材自体にもよりバネ性を持った材料を使用する。素材価格を考慮する必要が有ります。コルソン銅の使用も可能です。
また、ベリリウム系を使用する際は、析出硬化処理についても検討が必要です。
ファインネクスでは、ワイヤー材(線材)、条材の両方から加工いたします。
お気軽にご相談ください。
1)ワイヤー素材からのNiめっき下地Snリフロー仕上げ
Ni:1~1.5µm+Sn:1.5~2.5µm(リフロー仕上げ)
2)バンドリアピン:端子先端部のみに金めっき処理も可能。
参考配列ピッチ;2.0、2.54、3.0mmピッチ等
<スルーホールの推奨仕様>
ホットエアーレベラー(HAL)に加えて、ますます重要になっている下記仕様を揚げました。機械的強度や摩擦係数などの異なる特性に合わせて、下記のスルーホール仕様を推奨します。
プリント基板の厚さ 1.6mm以上
下穴径1.20±0.05mm
Cu min. 25µm
Sn max. 0.8µm
仕上り径1.05~1.15mm
以下の規格に関した参考データ取得しています。その他のテストは、御社での取得をお願い致します。
・IEC 60352-5:2012
Soldeless connections
Part 5 : Press-in connections –General requirement,test methods and Practical guidance
-抜粋-
5.2.Mechanical tests
5.2.2.1 Bending
15°曲げ1往復
5.2.3.4 Contact resistance
The contact resistance shall be carried out in accordance with IEC 60512,test 2a.
Requirements after mechanical, electrical or climatic conditioning:
a) Qualification test schedule: The maximum change of contact resistance
shall be less than 0.5mΩ for each test phase.
b) Application test schedule: The maximum change of contact resistance shall be specified in the component detail standard, if any, or in the manufacturer’s specification.
5.2.4.4 Dry heat
The test shall be carried out in accordance with IEC 60512, test 11i.
- test temperature 105℃
- test duration 1,000 h
1)プレスフィット端子ピンヘッダー
2)プレスフィット端子ピンヘッダー 大電流タイプ
初期のプレスフィットコネクタ圧入装置は、基板に仮挿入されたプレスフィットコネクタを手作業で一つ一つ位置決めし圧入していました。一般に圧入冶具には、上冶具と下冶具が用いられ、上冶具はプレスフィットコネクタの形状と方向により、圧入しやすい形状をしています。下冶具はプレスフィットコネクタ圧入時の圧力によって基板がゆがんで変形しないように作られていると共に、プレスフィットコネクタの端子が基板のスルーホールを突き抜けて貫通した際に、基板の下側に飛び出したプレスフィットコネクタの端子を痛めないようになっています。
しかしながら、これらのプレスフィットコネクタの形状はさまざまであり、圧入方式が異なっている場合、都度、冶具の交換が必要となります。圧入装置への各冶具の取付・固定方法を共通化する事が、必要になってきます。
ファインネクスでは、長年、PGA用端子ピン、コネクタ端子、ダイオード端子、リベットを初めてとする圧造パーツの製造、並びに各種圧造パーツ加工機や精密電子部品の自動組立機の製作、また精密電子部品の自動組み立てに携わって参りました。そこで蓄積された経験とノウハウを元に、プレスフィット端子や圧入装置のご提案を致しております。
当社ではプレスフィット端子ピンは、ワイヤー材(線材)、条材の両方から加工検討いたします。
詳しくは、各営業所までお電話もしくは当ホームページ上のご相談窓口から、お気軽にご相談、お問い合わせください。
ファインネクスのコネクタ端子は、各種家電、デジタル機器、スマートフォンやモバイル機器、パソコン、自動車、産業機械、ロボット、医療機器、航空部品、自動車に使用されるピン端子として、幅広い分野の製品に電気接点をもたらす重要な部品です。一つのコネクタ端子の電気接点で導通不良が起これば、その機器全体に不具合が生じるため、常に安定した品質が求められます。
ファインネクスでは、線材から加工したコネクタ端子・ピンを30年以上に渡り、自社内製のピン加工自動機により生産し、多種多様なお客様のニーズにお応えして来ております。線材めっき工程から端子加工機までを社内設計して自社にて一貫生産することにより極力人手をかけない自動化を実現し、低コストや安定した量産性を通して世界一のQCDを実現出来るものづくりを目指しています。さらにバリューエンジニアリング(VE)を通して、お客様の「コネクタ端子としての機能」を満足する世界でもっとも価値のある製品づくりに努めております。多種多様なコネクタ端子・ピンに関しまして当社独自の「ファイン」な提案を通じて、今後ともお客様と社会に貢献して参ります。
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