銅ピラーピン(Cu Pillar Pin)
銅ピラーピンとは
銅ピラーピン(Cu Pillar Pin)とは、銅合金でできた円柱形状の部品で、先端パッケージの回路接続に最適です。
電子機器業界では、生成AIの拡大によりAIサーバーの増加、ミリ波(mmWAVE)から、さらに高周波領域の6Gへの移行、CPOなどの光通信回路の普及などが進み、回路信号はますます高周波化しています。そうした高周波信号において求められる、更なる回路性能の向上や省スペース化に、FINECSの銅ピラーピンが貢献します。

銅ピラーピン採用のメリット(従来技術との比較)
半導体パッケージの回路接続に使われる従来技術には、ハンダボールや積層メッキがあります。
省スペース配線
市場では配線長を短縮するため、横型配線から縦型配線への移行が進んでいます。 また、ハンダボールは球体形状のためアスペクト比が1:1ですが、銅ピラーピンは円柱形状のためアスペクト比を高くすることができ、ハンダボールに比べて狭ピッチでの接続が可能になります。

電気性能
ハンダの材質と比べて銅合金は導電率が高く、抵抗値が小さいという特長があります。 また、ノイズの発生、発熱、熱放散に関しても、抵抗値が小さく、電流の集中による影響を受けにくい銅ピラーピンは優位性があります。

工程管理
ハンダボールは寸法ばらつきの他、溶融時の潰れがあるため、スペースの管理や基板のたわみ管理が必要になります。時間をかけてメッキを成長させる積層メッキ工法は、寸法にばらつきが生じやすく、接続時に基板がたわまないよう寸法管理が必要になります。また、部品と基板の隙間に樹脂を埋めるアンダーフィル工程も、ボール形状に比べて円柱形状の銅ピラーピンの方が管理しやすくなります。

L寸計測データ

銅ピラーピンの用途
PoP、インターポーザー、SiPモジュール、3Dパッケージ、プローブテスター基板など、小型化や性能向上の実現に期待されています。

銅ピラーピンの使い方・実装方法
銅ピラーピンは、エンボステープに梱包されたものを表面実装機(マウンター)で基板に搭載し、リフロー実装することで固定できます。 ... 量産用の整列機は、ハンダペーストが塗布された基板上にピン挿入用のマスクを重ね、振動や風、磁性を利用し一度に大量の銅ピラーピンを整列・実装することが可能です。
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保有標準材質と電気的・物理的特性
材料ごとに構成元素の含有率が異なるため、熱膨張係数、熱伝導率、導電率が変わります。導電率においては、熱放散効果の向上やEMIノイズの低減、信号品質の改善に貢献できる99%IACS以上の材料もご用意しております。

規格標準仕様一覧
ファインネクスでは、お客様の試作・評価への短納期対応のために標準品として在庫を保有しておりますので、問い合わせフォームより、ご希望品番、数量をご連絡ください。

線径別の加工可能範囲一覧の目安
代表的な可能なサイズ仕様の一覧表になります。線径の直径や、全長高さの可能範囲を示しています。試作標準品リストにないものは、こちらもご参考くださり、ご要望のサイズや材料コードでお問い合わせください。

銅ピラーモジュールによるソリューション
C-TECH社は、FINECSのピンを扱う専門メーカーであり、銅ピラーピンを用いた実装ソリューションを提案しています。ソリューションとして、ピンを仮基板に固定したピンアレイモジュール工法の提案や、ピンアレイモジュール自体の供給も可能です。